純物質と混合物・分離と精製

20分 Part 1 / Ch1 / Lesson 1
前提レッスン: 0-0-1

到達目標

  • 純物質と混合物の違いを説明できる
  • 元素・単体・化合物の関係を区別できる
  • 分離・精製の方法(ろ過、蒸留、再結晶、抽出、クロマトグラフィー)を原理で説明できる

物質の分類マップ

物質純物質混合物例: 空気、海水、合金単体1種類の元素のみ例: O₂, Fe, C(黒鉛)化合物2種類以上の元素例: H₂O, NaCl, CO₂
すべての物質は「純物質」か「混合物」に分類できる

純物質 = 1種類の物質だけからなる(融点・沸点が一定)。混合物 = 2種類以上の純物質が混ざったもの(融点・沸点が一定でない)。

混合物と純物質の見分け方

性質純物質混合物
融点・沸点一定一定でない
密度一定組成により変化
化学式書ける書けない
よくある誤解

「空気は純物質」→ 混合物です。空気は主に窒素 N2\mathrm{N_2}(約78%)と酸素 O2\mathrm{O_2}(約21%)の混合物です。

元素・単体・化合物の区別

  • 元素: 物質を構成する基本的な成分の種類(例: 水素、酸素、炭素)
  • 単体: 1種類の元素だけからなる純物質(例: O2\mathrm{O_2}Fe\mathrm{Fe}
  • 化合物: 2種類以上の元素からなる純物質(例: H2O\mathrm{H_2O}NaCl\mathrm{NaCl}

同素体: 同じ元素からなる単体でも、構造が異なるもの。

元素同素体
酸素 OO2\mathrm{O_2}(酸素)、O3\mathrm{O_3}(オゾン)
炭素 Cダイヤモンド、黒鉛、フラーレン
硫黄 S斜方硫黄、単斜硫黄、ゴム状硫黄
リン P黄リン、赤リン

覚え方: S・C・O・P(スコップ)の4元素に同素体がある。

分離・精製の方法

方法原理用途例
ろ過粒子の大きさの差砂と食塩水の分離
蒸留沸点の差海水から純水を得る
分留沸点の差(複数成分)石油の精製
再結晶溶解度の温度差硝酸カリウムの精製
抽出溶媒への溶けやすさの差ヨウ素をヘキサンで抽出
クロマトグラフィー吸着力の差インクの色素分離
昇華昇華性の有無ヨウ素の精製

分離・精製の方法まとめ

分離法は 「何の違いを利用するか」 で分類すると覚えやすい。沸点の差→蒸留、溶解度の差→再結晶、溶媒への溶けやすさの差→抽出。


例題

例題: 物質の分類

次の物質を「単体」「化合物」「混合物」に分類せよ。

(a) ダイヤモンド (b) 食塩水 (c) 塩化ナトリウム (d) 空気 (e) 鉄

  • (a) ダイヤモンド → 単体(炭素Cの同素体、1種類の元素のみ)
  • (b) 食塩水 → 混合物(NaClとH₂Oの混合)
  • (c) 塩化ナトリウム → 化合物(NaとClの2元素からなる純物質)
  • (d) 空気 → 混合物(N₂, O₂, Ar等の混合)
  • (e) 鉄 → 単体(Feの1元素のみ)

確認クイズ

Q1 純物質の特徴として正しいものは?

Q2 次のうち混合物はどれか?

Q3 同素体が存在する元素の組み合わせとして正しいものは?

Q4 沸点の差を利用した分離法は?


演習

問1. 海水から純水を得るにはどの分離法が適切か。理由とともに答えよ。

解答・解説

蒸留が適切。

海水中の水(沸点100°C)と溶解している塩(NaCl、沸点1413°C)の沸点の差を利用する。海水を加熱して水を蒸発させ、冷却して液体の水として集める。

問2. 少量のNaClが混じったKNO₃を精製するにはどの方法が適切か。

解答・解説

再結晶が適切。

KNO₃は温度による溶解度の変化が大きく、NaClは小さい。高温の水にKNO₃を溶かし、冷却すると、KNO₃だけが結晶として析出し、NaClは溶けたまま残る。