水のイオン積
水は極めてわずかに電離しています:
H2O⇌H++OH−
水のイオン積 Kw=[H+][OH−]=1.0×10−14 (25℃)
純水では [H+]=[OH−]=1.0×10−7mol/L → pH = 7
Kw は温度が変わらない限り一定です。酸を加えて [H+] が増えれば [OH−] は減りますが、積は常に 10−14 です。
弱酸の電離平衡
弱酸 HA の電離:
HA⇌H++A−
電離定数 Ka=[HA][H+][A−]
Ka が大きいほど電離しやすい(強い酸に近い)。
| 酸 | 化学式 | Ka | pKa |
|---|
| 酢酸 | CH₃COOH | 1.8×10−5 | 4.74 |
| 炭酸(第1段) | H₂CO₃ | 4.3×10−7 | 6.37 |
| フェノール | C₆H₅OH | 1.0×10−10 | 10.0 |
代表的な弱酸の Ka (25℃)
弱酸の pH 計算
0.10 mol/L 酢酸水溶液の pH を求めよ (Ka = 1.8×10⁻⁵)
CH3COOH⇌H++CH3COO−
電離度 α が小さいので [HA]≈c(初濃度)と近似。
[H+]=x とおくと:
Ka=c−xx2≈cx2
x=Ka⋅c=1.8×10−5×0.10=1.8×10−6
x=1.34×10−3mol/L
pH=−log(1.34×10−3)≈2.87
弱塩基の電離平衡
弱塩基 B の場合:
B+H2O⇌BH++OH−
Kb=[B][BH+][OH−]
弱酸と弱塩基の共役関係: Ka⋅Kb=Kw
緩衝液
緩衝液: 少量の酸や塩基を加えても pH がほとんど変わらない溶液。
弱酸 HA とその塩 NaA の混合溶液が典型例。
- 酸 (H⁺) を加える → A⁻ が H⁺ と反応して HA に戻る
- 塩基 (OH⁻) を加える → HA が OH⁻ と反応して A⁻ と H₂O になる
ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式:
pH=pKa+log[HA][A−]
緩衝液のしくみ
確認クイズ
Q1 25℃の純水の [H⁺] は?
Q2 Ka が大きい酸ほど…
Q3 緩衝液はどの組み合わせでつくるか?
演習
問1. 0.050 mol/L の酢酸水溶液の pH を求めよ (Ka=1.8×10−5)。
解答・解説
[H+]=Ka⋅c=1.8×10−5×0.050
=9.0×10−7=9.5×10−4mol/L
pH=−log(9.5×10−4)≈3.02
問2. 0.10 mol/L の酢酸と 0.10 mol/L の酢酸ナトリウムを等量混合した緩衝液の pH を求めよ。
解答・解説
ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式:
pH=pKa+log[CH3COOH][CH3COO−]
等量なので [A−]=[HA] → log1=0
pH=pKa=−log(1.8×10−5)=4.74