ハロゲンとその化合物

20分 Part 3 / Ch5 / Lesson 2
前提レッスン: 3-5-1

到達目標

  • ハロゲン単体の性質と反応性の傾向を説明できる
  • ハロゲン化水素の性質の違いを理解する
  • 塩素の製法と反応を知る

ハロゲン単体の性質

ハロゲン (17族) は周期表を下るにつれて:

  • 酸化力が弱くなる: F₂ > Cl₂ > Br₂ > I₂
  • 融点・沸点が高くなる (分子量増 → 分子間力増)
  • 色が濃くなる: F₂(淡黄) → Cl₂(黄緑) → Br₂(赤褐) → I₂(紫黒)
元素分子式状態(室温)酸化力
フッ素F₂気体淡黄最強
塩素Cl₂気体黄緑
臭素Br₂液体赤褐
ヨウ素I₂固体紫黒

ハロゲン単体の比較

酸化力の比較実験: Cl₂ を KBr 水溶液に通すと Br₂ が遊離 → 溶液が赤褐色に変化。

Cl2+2KBr2KCl+Br2\mathrm{Cl_2 + 2KBr \rightarrow 2KCl + Br_2}

Cl₂ の方が Br₂ より酸化力が強いため、Br⁻ を酸化して Br₂ にします。

ハロゲン化水素

化合物沸点酸の強さ特徴
HF19.5℃弱酸水素結合で高沸点; ガラスを溶かす
HCl-85℃強酸塩酸として広く使用
HBr-67℃強酸HCl より還元力が強い
HI-35℃強酸最も還元力が強い

ハロゲン化水素の比較

HF の特異性:

  • 水素結合により沸点が異常に高い
  • 弱酸(他の HX は強酸)
  • SiO2\mathrm{SiO_2} と反応 → ガラスを腐食

SiO2+4HFSiF4+2H2O\mathrm{SiO_2 + 4HF \rightarrow SiF_4 + 2H_2O}

塩素の化学

塩素の製法(実験室):

MnO2+4HClMnCl2+Cl2+2H2O\mathrm{MnO_2 + 4HCl \rightarrow MnCl_2 + Cl_2 + 2H_2O}

塩素と水の反応:

Cl2+H2OHCl+HClO\mathrm{Cl_2 + H_2O \rightleftharpoons HCl + HClO}

生成する 次亜塩素酸 HClO が殺菌・漂白作用を持ちます。

さらし粉: CaCl(ClO)H2O\mathrm{CaCl(ClO) \cdot H_2O} — 塩素を Ca(OH)₂ に吸収させてつくる漂白剤。

ハロゲン化銀

化合物溶解性感光性
AgF無色水に溶ける低い
AgCl白色難溶あり
AgBr淡黄難溶強い (写真)
AgI黄色難溶強い

確認クイズ

Q1 ハロゲンの酸化力が最も強いのは?

Q2 HF が弱酸である理由は?

Q3 塩素水の漂白作用の原因は?


演習

問1. Cl₂ を KI 水溶液に通じたときの反応を化学反応式で示し、溶液の色の変化を述べよ。

解答・解説

Cl2+2KI2KCl+I2\mathrm{Cl_2 + 2KI \rightarrow 2KCl + I_2}

Cl₂ は I⁻ を酸化して I₂ を遊離させます。溶液は褐色に変化します(I₂ はヨウ素デンプン反応で青紫色にもなる)。