酸素・硫黄とその化合物

20分 Part 3 / Ch5 / Lesson 3
前提レッスン: 3-5-1

到達目標

  • 酸素の同素体(O₂ と O₃)の違いを知る
  • 硫黄の同素体と硫酸の性質を理解する
  • 接触法による硫酸の工業的製法を説明できる

酸素とオゾン

酸素の同素体:

  • 酸素 O₂: 無色・無臭、呼吸と燃焼に必要
  • オゾン O₃: 淡青色・特異臭、強い酸化力

3O2紫外線2O3\mathrm{3O_2 \xrightarrow{紫外線} 2O_3}

オゾンは成層圏で紫外線を吸収し、地上の生命を守ります。

オゾンの検出: ヨウ化カリウムデンプン紙 → 青紫色

O3+2KI+H2OI2+2KOH+O2\mathrm{O_3 + 2KI + H_2O \rightarrow I_2 + 2KOH + O_2}

硫黄の同素体

名称分子式/構造結晶系特徴
斜方硫黄S₈ (環状)斜方晶常温で最も安定
単斜硫黄S₈ (環状)単斜晶95.5℃以上で安定
ゴム状硫黄S (鎖状)非晶質弾性あり、二硫化炭素に不溶

硫黄の同素体

硫酸 H₂SO₄

濃硫酸の3つの性質:

  1. 吸湿性: 乾燥剤として利用
  2. 脱水作用: 有機物から H₂O を奪う(砂糖 → 炭化)
  3. 不揮発性: 揮発性の酸の塩に加熱して酸を追い出す

NaCl+H2SO4加熱NaHSO4+HCl\mathrm{NaCl + H_2SO_4 \xrightarrow{加熱} NaHSO_4 + HCl \uparrow}

希硫酸は普通の強酸として振る舞います(中和、金属との反応など)。

熱濃硫酸は酸化力を持ち、Cu などのイオン化傾向が小さい金属も溶かします:

Cu+2H2SO4(熱濃)CuSO4+SO2+2H2O\mathrm{Cu + 2H_2SO_4(熱濃) \rightarrow CuSO_4 + SO_2 + 2H_2O}

接触法(硫酸の工業的製法)

S + O₂燃焼SO₂V₂O₅ 触媒SO₃+ H₂OH₂SO₄
接触法の流れ
  1. S+O2SO2\mathrm{S + O_2 \rightarrow SO_2}
  2. 2SO2+O2V2O52SO3\mathrm{2SO_2 + O_2 \xrightarrow{V_2O_5} 2SO_3}接触反応 — 触媒に「接触」)
  3. SO3+H2OH2SO4\mathrm{SO_3 + H_2O \rightarrow H_2SO_4}

確認クイズ

Q1 常温で最も安定な硫黄の同素体は?

Q2 濃硫酸の吸湿性を利用する用途は?

Q3 接触法で SO₂ → SO₃ に使う触媒は?


演習

問1. 濃硫酸を砂糖にかけると黒くなる。この反応を説明し、関与する濃硫酸の性質を答えよ。

解答・解説

砂糖(スクロース C12H22O11\mathrm{C_{12}H_{22}O_{11}})から水 H₂O の成分(H と O)が奪われ、炭素 C が残ります:

C12H22O11H2SO412C+11H2O\mathrm{C_{12}H_{22}O_{11} \xrightarrow{濃H_2SO_4} 12C + 11H_2O}

これは濃硫酸の脱水作用によるものです。黒くなるのは炭素が生じるためです。