酵素と生体内反応

15分 Part 5 / Ch9 / Lesson 2
前提レッスン: 5-9-1

到達目標

  • 酵素の基本的な性質と特徴を知る
  • 基質特異性と最適温度・最適pHを理解する
  • 酵素反応の速度に影響する条件を説明できる

酵素とは

酵素: 生体内で化学反応を触媒するタンパク質。

特徴:

  • 基質特異性: 特定の物質(基質)にのみ作用する(鍵と鍵穴の関係)
  • 最適温度: 約35〜40℃(体温付近)で最大活性
  • 最適pH: 酵素によって異なる(ペプシン: pH 2, トリプシン: pH 8)
  • 失活: 高温やpH変化でタンパク質が変性 → 触媒作用を失う

代表的な酵素

酵素作用する基質反応存在場所
アミラーゼデンプン→ マルトース唾液
ペプシンタンパク質→ ペプチド胃液 (pH 2)
トリプシンタンパク質→ ペプチドすい液 (pH 8)
リパーゼ脂肪→ 脂肪酸 + グリセリンすい液
カタラーゼH₂O₂→ H₂O + O₂肝臓

主な酵素とその働き

酵素反応の条件

温度 (℃)反応速度最適温度 ≈37℃活性↑変性→失活
温度と酵素活性の関係
  • 温度上昇 → 反応速度は増加するが、最適温度を超えるとタンパク質が変性して活性を失う
  • 無機触媒(MnO₂ など)は高温でも失活しない → 酵素との違い

確認クイズ

Q1 酵素が特定の基質にのみ作用する性質を何というか?

Q2 ペプシンの最適 pH は?

Q3 酵素を高温にすると失活する理由は?


演習

問1. 過酸化水素に MnO₂ を加えた場合と、カタラーゼ(肝臓片)を加えた場合を比較し、酵素と無機触媒の違いを2つ述べよ。

解答・解説

どちらも 2H2O22H2O+O2\mathrm{2H_2O_2 \rightarrow 2H_2O + O_2} を触媒する。

違い:

  1. 基質特異性: カタラーゼは H₂O₂ にのみ作用するが、MnO₂ は他の反応も触媒できる
  2. 熱に対する安定性: カタラーゼは高温で変性して失活するが、MnO₂ は高温でも触媒作用を保つ