分子間力・結晶の分類
20分 Part 1 / Ch1 / Lesson 5
前提レッスン: 1-1-4
到達目標
- 分子間力(ファンデルワールス力・水素結合)の違いを説明できる
- 結晶の4分類(イオン・共有結合・分子・金属)の特徴を比較できる
- 物質の性質から結晶の種類を判別できる
分子間力
分子と分子の間にはたらく弱い力を分子間力という。
分子間力の強さ: 水素結合 > ファンデルワールス力。ファンデルワールス力は分子量が大きいほど強い。
ファンデルワールス力: すべての分子間にはたらく弱い引力。分子量が大きい(電子が多い)ほど強い。
水素結合: F, O, N に結合した H が、隣の分子の F, O, N の非共有電子対と引き合う。ファンデルワールス力より強い。
水 の沸点が (分子量が大きい)より高いのは水素結合のため。
結晶の4分類
| 分類 | 構成粒子 | 結合 | 融点 | 硬さ | 電気伝導性 | 例 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| イオン結晶 | 陽イオン + 陰イオン | イオン結合 | 高い | 硬いがもろい | 固体×、液体/水溶液○ | NaCl, CaO |
| 共有結合結晶 | 原子 | 共有結合 | 非常に高い | 非常に硬い | ×(例外: 黒鉛) | ダイヤモンド, SiO₂ |
| 分子結晶 | 分子 | 分子間力 | 低い | やわらかい | × | 氷, ドライアイス, I₂ |
| 金属結晶 | 金属原子 + 自由電子 | 金属結合 | 様々 | 様々 | ○ | Fe, Cu, Au |
結晶の分類と特徴の比較
結晶の性質は構成粒子間の結合の強さで決まる。共有結合結晶 > イオン結晶 > 金属結晶 > 分子結晶の順に融点が高い傾向。
よくある誤解
「分子結晶は共有結合がない」→ 分子内には共有結合がある。分子結晶で弱いのは**分子間の力(分子間力)**であり、分子内の共有結合自体は強い。
判別のポイント:
- 水に溶けて電気を通す → イオン結晶
- 非常に硬く融点が極めて高い → 共有結合結晶
- 融点が低い、昇華するものがある → 分子結晶
- 電気や熱をよく通す、展性・延性がある → 金属結晶
確認クイズ
Q1 水の沸点がH₂Sより高い主な理由は?
Q2 ドライアイス(CO₂)はどの結晶タイプ?
Q3 イオン結晶の電気伝導性について正しいのは?
演習
問1. 次の物質を結晶の4分類に分けよ: ダイヤモンド、食塩(NaCl)、ヨウ素(I₂)、銅(Cu)、二酸化ケイ素(SiO₂)、ナフタレン
解答・解説
| 物質 | 分類 | 理由 |
|---|---|---|
| ダイヤモンド | 共有結合結晶 | C原子が共有結合で3次元的に連なる |
| NaCl | イオン結晶 | Na⁺とCl⁻のイオン結合 |
| I₂ | 分子結晶 | I₂分子が分子間力で集合 |
| Cu | 金属結晶 | Cu原子が金属結合 |
| SiO₂ | 共有結合結晶 | SiとOが共有結合で3次元ネットワーク |
| ナフタレン | 分子結晶 | C₁₀H₈分子が分子間力で集合、昇華性あり |